あけましておめでとうございます。
2020年になってもう10日が過ぎ去ってしまいました。
こんな風にあっという間に時間が経って、オリンピックも過去のできごとになるんでしょうね。
そんなビッグ・イベントがやって来る前に、やり残したことが1つ・・・
そう!2019年の「ベストアルバム」&「ベストソング」&「ベストジャケット」だ!!
数ある2019年リリースの作品から、私がとくにハマったベスト5をランキング形式でご紹介!
どれも数年やそこらでは風化しない作品をチョイスした自信はあるので、ぜひ音楽を聴くときの参考にしてみてください。
2019年ベストアルバムTOP5
まずは、2019年ベストアルバムTOP5です!
今年は上半期と下半期で、ハマったものがくっきりと分かれる年でした。
しかし一度ハマったら、どっぷり何十回、何百回と聴いた作品ばかりです。
No.1 カネコアヤノ『燦々』
LP:9/5、CD:9/18リリース
2019年は“カネコアヤノの年”と言っても過言ではないくらい、今年いちばん大きな出会いでした。
名前は数年前から知っていたものの、ドハマりしたきっかけは4月にリリースされたシングル『愛のままを/セゾン』(とくにDisc2のライブ音源が最高)。
リスナーのそっと寄り添うような温かいサウンドと、優しさの中に情念すら感じる彼女の力強い歌声が、スッと心の隙間を満たしてくれて、すぐに身も心も沼の底。
待ちに待ったアルバム『燦々』を初めて再生したとき、1曲目の1音目から“名盤だ”と直感しました。
その直感は見事に的中し、聴き惚れて夢見心地のままあっという間に終わる約40分全12曲。
とくにラストのタイトル曲「燦々」は、涙なしには聴けません。
気がつけば彼女の歌が大事なお守りのように私の中で輝いていて、不安なときにたくさん助けてもらいました。
穏やかじゃなくていい毎日は
屋根の色は自分で決める
美しいから ぼくらは
M-12「燦々」
No.2 柴田聡子『がんばれ!メロディー』
CD:3/6リリース
2019年上半期にどっぷりハマったのは、柴田聡子の5thアルバム『がんばれ!メロディー』。
80年代のアイドル歌謡曲やナイアガラサウンドを彷彿とさせるサウンドで、一貫してキャッチーでセンチメンタルな作品です。
内省的なイメージがあった彼女が、ついに弾けて才能を爆発させています。
1曲目「結婚しました」からラストの「捧げます」まで、ものすごい勢いで進んでいくさまは、小気味いい群像劇を味わっているかのよう。
個人的にもう新しい音楽に興奮することなく、今まで好きだった音楽をサイクルで聴いていくことになるのかなと思っていたので、まだこんなに脳天と心を揺さぶる作品に出会えるなんて!と感動したことを覚えています。
とくに5曲目「涙」のMVが“脳内お花畑”感満載(もちろんいい意味)で、夜な夜な観てはウルっとしていました。
上の階のおやじさんが
今夜も月を見ている
安心して眠って 安心して
M-5「涙」
No.3 FINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』
CD:10/1リリース(ライブ会場限定先行販売:9/25)
3位にランクインしたのは、Boss the NK(=菊地成孔)とOD(=小田朋美)による謎(?)のユニット・FINAL SPANK HAPPYのアルバム。
昨夏、約12年ぶりの活動再開後にリリースした「夏の天才」は、昨年のベストソングにもランクインしました。
そして2019年、ついに待望のアルバムが約16年ぶりにリリース。
テクノやエレクトロ・ポップなどのジャンルに馴染みがなくても、
- シティ・ポップの香りがするロマンティックな曲
- エスプリの効いたフレーズが飛び交うコメディ風の曲
- ドープで官能的な曲
など、バラエティに富んだ楽曲が揃っていて、何回聴いても飽きません。
またCDの販売方法も特殊で、一般流通はせずにライブ会場や公式サイトの通販など一部の限られた店舗でのみ購入できます。
サブスクリプションでの配信は始まっているものの、CDの収録曲中2曲は未配信という意地悪っぷり(笑)。
しかし少し手間をかけてでもCDを手に取る価値は、大いにあります。
どんな部屋でも爆音で『mint exorcist』をプレイすれば、そこは一瞬にしてダンスフロア。
苦いkiss 甘いぺニス 抱きしめて 謎の言葉で
赤坂に 明洞に この星に 墜ちて来たなら
M-7「エイリアンセックスフレンド」
No.4 小沢健二『So kakkoii 宇宙』
CD:11/13リリース
4位にランクインしたのは、小沢健二がリリースした17年ぶりの歌モノオリジナルアルバム『So kakkoii 宇宙』です。
2017年にシングル『流動体について』でカムバックして以降、ついにニューアルバムがリリース。
個人的には「まさかリアルタイムで小沢健二の新作を聴ける日がくるなんて…!」と、発売が決まったときから感動していました。
そうしてフタを開けてみたら、CDのジャケットはサプライズだわ装丁は凝りまくりだわ新曲の威力は凄まじいわで、圧倒に次ぐ圧倒の連続。
非凡な彼が見ている世界を、少しだけ覗き見できるような、でもどれだけ聴いても全貌を理解できないような、壮大で不思議で、ちょっぴり怖い作品でもあります。
これからも世の中に新たな価値を提供し続けてほしいです。
生きることはいつの月日も難しくて
複雑で 不可解で
君の中で消えた炎とか 僕が失くしてしまったものとか
全部 答えがないけど
M-8「高い塔」
No.5 ドレスコーズ『ジャズ』
CD:5/1リリース
常にファンを振り回す最狂の人たらし(笑)こと、志磨遼平のソロ・プロジェクトであるドレスコーズのアルバム『ジャズ』が5位にランクインです。
“ジャズ”と言っても、マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンなど誰もが想像するような(カフェとかで流れているやつ)ものではありません。
“人類最後の音楽”をテーマに、ジプシー音楽を取り入れて“ドレスコーズなりのジャズ”を追求した一枚。
彼の前身バンド・毛皮のマリーズ時代からファンの私は、正直最初は「また小難しいことを…」と思ったりもしたのだが、ツアーを経てじわじわと毒が体に回るように良さが伝わってきました。
数年後に聴き返したら、また新たな良さが出てきそうな耐久性の高いアルバムです。
まだランチやってるってさ 行こう
それと きみを愛してる
皮のめくれた くちびるに
ワセリンをぬる
M-5「カーゴカルト」
次点 Billie Eilish『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』
CD:3/29リリース
惜しくもTOP5には入らなかったものの、紹介したかったのは、米シンガーソングライターの1stアルバムです。
日本でも知名度が上がってきているのでご存知の方も多いとは思いますが、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)は2016年にデビューした18歳。
アメリカでは絶大な人気で、今作はグラミー賞にもノミネートされています。
聴けば聴くほどクセになって、ビートやメロディーが頭から離れなくなる中毒性の高い一枚です。
Twitterで「ビリー・アイリッシュは現代のカーペンターズだ」という旨のつぶやきを見て、曲調は全く違うのに妙に納得したことを覚えています。
I just wanna make you feel okay
But all you do is look the other way
I can’t tell you how much I wish I didn’t wanna stay
I just kinda wish you were gay
M-6「wish you were gay」
2019年ベストソングTOP5
続いて2019年のベストソング5曲を紹介!
TOP5内に洋楽もランクインし、多岐にわたるジャンルの楽曲がランクインしました。
上位2曲はベストアルバムとも被っていますが、それくらい支えられた曲ということです。
No.1 小沢健二「彗星」
配信:10/11リリース
2019年ベストソングは、思い入れ的にも再生回数的にもダントツで小沢健二「彗星」です。
復帰してからの彼の曲は、数分の中に入っている情報量が多すぎて1回聴くだけでは、よくわからないことが多々あります。
「彗星」もそれに漏れず、最初は“好き嫌い”以前に“何これ?”という感覚のほうが強かったです。
その知的好奇心をくすぐられる感じがたまらなく、何回も再生していくうちにどんどんハイになっていく自分に気づき始めるのでした(笑)。
歌詞では未来を見据えつつ、彼自身の絶頂期だった90年代のことも触れていて、5分足らずの中で時空間をまさに“彗星”のように飛び回っています。
“そして時は2020”。僕らと彼の向かう先は――
だけど幻想はいつも崩れる
真実はだんだんと勝利する
時間ちょっとかかってもね
「彗星」
No.2 カネコアヤノ「セゾン」
CD:4/16リリース
ベストアルバムでは堂々の1位を獲得したカネコアヤノが、ベストソングでも2位にランクイン。
アルバム『燦々』のほか、両A面シングル『愛のままを/セゾン』にも収録されています。
アコギがメインで川のせせらぎのように展開がスムーズなため、音楽というよりは“水”に近いかもしれません。
当たり前のようにいつも摂取しているけど、ないと死んでしまうもの。
ささやかな日々の暮らしがとても愛おしくなるような、温かくてちょっぴり切ない名曲です。
その普遍性と繊細な視点は、まるでビートルズのカバーを聴いているかのよう。
きっとどの年代に聴いてもリスナーの耳にフィットすること、間違いありません。
たぶんこれからも続いてく
テーブルの上 雑に置かれた財布と鍵
丁寧な愛 油断したところに
安心するんだよ 不思議とさ
「セゾン」
No.3 EGO-WRAPPIN’「裸足の果実」
配信:1/11リリース
2019年になって初めてビビッときた音楽が、EGO-WRAPPIN’「裸足の果実」だったということを、今でも覚えています。
出だしから否が応でもテンションが上がってしまうイントロと、甘美な歌声に心を掴まれてしまいました。
2019年に初めて行った福岡のフェス“CIRCLE”で、この曲を間近で聴けたのはいい思い出。
でも欲を言えばもっとヒットしてほしかった、ヒットするべきだった名曲です。
あ ちぐはぐさ
あの世とこの世の価値観
あ すべりだい
よせた胸の境
「裸足の果実」
No.4 Post Malone & Swae Lee「Sunflower」
配信:2018/10/18、CD(日本盤サントラ):2019/2/27
ラッパーとしてもシンガーとしても絶大な人気を誇るアメリカのミュージシャン・Post Malone(ポスト・マローン)と、兄弟ラップユニット・Rae Sremmurd(レイ・シュリマー)の弟・Swae Lee(スワエ・リー)によるコラボ曲が、4位にランクイン。
配信は2018年リリースですが、主題歌となった映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の日本公開&日本盤サントラの発売が2019年だったため、セレクトしました。
上記のアニメ映画を劇場で鑑賞して、内容も素晴らしかったのですが、大迫力の音響で聴いた「Sunflower」がすごく印象に残って、すぐさまサブスクで検索して聴きながら帰ったのを覚えています。
ヒップホップ/ラップというジャンルを聴かない方でも、両者のボーカリストとしての違いなどを楽しみながら、すんなりと聴けるポップソングです。
You’re the sunflower
I think your love would be too much
Or you’ll be left in the dust
Unless I stuck by ya
You’re the sunflower, you’re the sunflower
「Sunflower」
No.5 吾妻光良 & The Swinging Boppers「ご機嫌目盛」
CD:5/22リリース
昨年、結成40周年を迎えたジャンプ・ブルース・ビッグバンド「吾妻光良 & The Swinging Boppers」による約5年8か月ぶりのアルバムの1曲目が、5位にランクイン。
数年前にラジオでたまたま耳にしてから大好きなバンドで、“ジャンプ・ブルース”という新たな魅力を教えてくれました。
“じじい”を武器にした自虐と哀愁たっぷりの歌詞に、ビッグバンドによる豪華な演奏が加わって、キャリアを重ねないと絶対に醸し出せない唯一無二の世界に浸れます。
「ご機嫌目盛」は、どんなに暗い気持ちになっていても聴けば自然と、悩んでいるのが馬鹿らしくなってくるから不思議です。
ご機嫌目盛 しかめっツラ してても
ご機嫌目盛 誰も 何もくれないぜ
ご機嫌目盛 励ましてるわけじゃない
ご機嫌目盛 だって勿体ないだろ
「ご機嫌目盛」
次点 King Gnu「白日」
配信:2/22リリース
次点として紹介するのは、2019年1月にメジャーデビューして以降破竹の勢いでバンドの地位を確立したKing Gnuの大ヒット曲「白日」です。
初出場した紅白歌合戦でのパフォーマンスも記憶に新しいところ。
10人中10人が“いい声”と絶賛する(ハズ)Vo./Key.井口理の歌と、一筋縄ではいかないサウンドは、余計なことを抜きにしても純粋に“いい曲”です。
ヒット曲が出にくくなった昨今、バンドメンバー4人のキャラクターも含めて、これからも彼らが音楽シーンに多大な影響を与えてくれそうな予感がしています。
朝目覚めたら どっかの誰かに
なってやしないかな
なれやしないよな
聞き流してくれ
「白日」
2019年ベストジャケットTOP5
最後は、ニッチだけど探すと意外と楽しい2019年ベストジャケットの紹介です!
昨今はCDなどフィジカルを手に入れてもらうために、ジャケット写真はもちろん、全体の装丁・デザインに凝った作品が多くなってきました。
パッと見のインパクトがすごいジャケットをメインにセレクト!
No.1 FINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』
CD:10/1リリース(ライブ会場限定先行販売:9/25)
ブックデザイナー・祖父江慎が手がけたFINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』が1位を獲得!
ピンク色をバックに、Boss the NKとODの2人が真顔で頭の上にフランスパンを乗せているという、衝撃的なジャケット。
机の上に立てかけておくだけで、おかしくてニヤついてしまうような仕上がりになっています。
ジャケット写真は、ぜひ検索してみてください。
No.2 椎名林檎『三毒史』
CD:5/27リリース
女史、ついにケンタウロスとなって空を駆ける――
2位にランクインした椎名林檎『三毒史』。
20周年を過ぎて、名実ともに日本最高峰のポップスを提供し続けている女史の“勢い”と“覚悟”が、十二分に詰まったジャケット写真です。
No.3 スピッツ『見っけ』
CD:10/9リリース
30年以上経っても輝きが色褪せない国宝級バンド・スピッツがリリースした、約3年ぶりのオリジナルアルバム『見っけ』。
彼らのジャケットは、毎度手に取ってみたくなるような可愛いデザインが特徴的です。
ジャケットをじっくり堪能するなら、サイズの大きいLPがオススメ。
No.4 小沢健二『So kakkoii 宇宙』
CD:11/13リリース
発売日までジャケット写真を解禁しなかった小沢健二『So kakkoii 宇宙』。
タイトルからして、期待値が爆上がりしていましたが・・・
まさかの息子!!!!!
長男のりーりーくんが大きく写っていて、フラゲ日にあった豊洲のライブ会場で驚きました。
毎度、挑戦的な施策でファンを唸らせる彼のバイタリティーには脱帽です。
No.5 竹内まりや『Turntable』
CD:9/4リリース
5位には、竹内まりやの40周年記念アルバム『Turntable』がランクイン。
ターンテーブルの上に鎮座する上品で美しい彼女の写真は、実年齢を疑ってしまうほど。
個人的には寝そべっている裏ジャケットがお気に入りです。
次点 久保田利伸『Beautiful People』
CD:11/27リリース
最後に紹介するのは、久保田利伸が約4年ぶりにリリースしたアルバム『Beautiful People』のジャケット写真です。
よーく見ると広大な砂漠の中を走っている全裸の男性が・・・
そう、まさかの久保田利伸本人!
自らのケツをさらけ出す気合は、凄まじいものがあります。
まとめ:2020年も全力疾走するよ“ね”
以上、ここまで2019年の「ベストアルバム」&「ベストソング」&「ベストジャケット」TOP5を紹介してきました。
最後におさらいすると・・・
「2019年ベストアルバム」
- カネコアヤノ『燦々』
- 柴田聡子『がんばれ!メロディー』
- FINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』
- 小沢健二『So kakkoii 宇宙』
- ドレスコーズ『ジャズ』
「2019年ベストソング」
- 小沢健二「彗星」
- カネコアヤノ「セゾン」
- EGO-WRAPPIN’「裸足の果実」
- Post Malone & Swae Lee「Sunflower」
- 吾妻光良 & The Swinging Boppers「ご機嫌目盛」
「2019年ベストジャケット」
- FINAL SPANK HAPPY『mint exorcist』
- 椎名林檎『三毒史』
- スピッツ『見っけ』
- 小沢健二『So kakkoii 宇宙』
- 竹内まりや『Turntable』
上記のようなラインナップとなりました。
2019年は1つの作品・アーティストにどっぷりと浸かるような聴き方が多かったように思えます。
“そして時は2020”。
来年はどんな音楽は私たちの生活を彩ってくれるのでしょうか。
オリンピック開催で夏の間はライブに行く頻度が少なくなりそうなのが不安ですが、その分どんどん良質な音楽をディグっていきたいと思います。
本記事があなたの音楽ライフの手助けになったら幸いです。
それではまた、良い音楽とともにお会いしましょう。
お元気で。